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アヌビアス・ナナ

名称  アヌビアス・ナナ 学名  Anubias barteri var. nana

和名  なし  光量  弱い 水質  弱アルカリ性~弱酸性 硬度  特になし 水温  22~30℃ 形態  根茎性 栽培  容易 CO2  必要なし〜少なめ

アヌビアス・ナナとは

アヌビアス・ナナは、水草の中で、最も代表的な水草の一つです。 アフリカ原産の人気の高い水草で、アヌビアス・ナナの人気の秘密は丈夫で育てやすく、小さな卵型の濃緑の葉は厚手で深みのある美しい容姿をしていることでしょう。 アヌビアス・ナナは河川などに生育する沈水~湿性の水草で、水辺の岩の上などに白く太い根茎を伸ばして着生しています。水草の丈は10cm程度で葉丈は長さ4~8cm、幅3~4cmです。大株になると8cm前後になります。葉色は濃緑色で表面に光沢があります。 水上と水中のどちらで育ててもあまり形状の変化はなく、ゆっくりと成長します。 とても丈夫な水草なので、水中でも水上でも育成は容易です。 水草レイアウト水槽にも熱帯魚メインの水槽にもよく似合います。 弱い光とわずかな肥料があれば生長する丈夫な水草なので、アヌビアス・ナナは、はじめて水草を購入する人に最適な水草と言えるでしょう。水草レイアウト水槽にも可愛らしくて丈夫なので使いやすい水草です。 しかし、成長が非常に遅く、葉に藻類がつきやすい水草でもあります。 実は、アヌビアス・ナナと呼ばれてきた水草には2タイプがあります。 その中の1つは、学名Anubias barteri var. nana syn (Anubias nana)と学名Anubias nana Englerです。 Anubias barteri var. nana synはアヌビアス・バルテリーの基本種の形を残した葉形で、小型で円形に近い葉をしていて、ハート型か切形です。小型で葉長は5~6cm、葉幅もほぽこれに近く濃緑色です。 もう一つのアヌビアス・ナナ、AnubiasnanaEnglerは暗緑色で葉は細いヤリ状に鋭い楕円形をしています。葉長は6cm幅2~3cmです。 Anubias barteri var. nana syn.とAnubias nana Englerは葉の形が異なります。 現在は、ほとんどAnubias barteri var. nanaがアヌビアス・ナナとして流通しています。

育て方

アヌビアス・ナナは、非常に丈夫な水草ですが、成長はとても遅く、葉にコケが付き易い水草でもあります。これは、アヌビアス・ナナに限らず、成長の遅い水草によく見られる光景です。とは言え、折角のレイアウトがコケまみれになってしまうのは景観を大変損ねるので、早めの対処をしましょう。また、コケだらけになってしまうと、アヌビアス・ナナの成長の妨げにもなります。幸いにも、アヌビアス・ナナは他の水草と異なり、触ればわかるのですが、葉がとても硬いため、コケ予防・コケ落としは他の水草よりも容易です。 コケが付く前に、コケの予防をしましょう。 アヌビアス・ナナをメインにするレイアウトの場合、「コケ取り生体」と呼ばれる、コケを食べてくれる生体をタンクメイトとして、水槽内に多めに入れてあげてください。通常の水草であればコケ取り生体を多めに入れてしまうと、コケ取り生体が水草の葉まで食べてしまう(食害にあってしまう)のですが、アヌビアス・ナナは葉が硬いため、食害に会うことはありません。 アヌビアス・ナナをメインに使用しない場合は、60㌢水槽でコケ取り生体を3〜5匹程度入れてあげれば充分です。 コケ取り生体として活躍してくれるものは、糸状苔を食べてくれるヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビ。斑状苔を食べてくれるオトシンクルス、オトシンネグロ。黒ひげ苔を食べてくれるサイアミーズフライングフォックスです。

根茎は浅植えにするか、流木や石に活着させます。照明が多少暗くとも、CO2を添加しなくても枯れる事はありません。 アヌビアス・ナナは、ほとんどがポット入り(黒いネット状のプラスチックケースにロックウールを巻き付けたもの)で販売されています。購入後は速やかにアヌビアス・ナナをポットから取り出し、根に巻き付けられたロックウールをある程度落としてから、低床添加肥料を埋めた低床に植えると成長が良いです。 ですが、アヌビアスの最大の魅力は、流木や石に活着(くっつく事が)できる事でしょう。低床に植え込むのもいいですが、せっかくアヌビアスを購入したからには、是非とも流木や石に活着させて、より自然に近い雰囲気で育成してみてください。活着こそが、アヌビアス・ナナの楽しみの一つです。 活着方法については後述しています。

レイアウト

アヌビアス・ナナはその美しい容姿から人気も高い、水草水槽レイアウトでも定番の水草です。 底床材に植え込んでもよいですし、流木や石に釣り糸や園芸用のビニールバンドで固定するとアレンジの幅が広がります。アヌビアス・ナナをミクロソリウムのように、流木や岩に活着させることで、立体的なレイアウトを組むことができます。 ビニールタイを使い、これから伸びていくリードバルブの方を流木に巻き付けていきます。作業の途中、水草が乾いてしまわない様、、霧吹きなどで水を吹きかけることも忘れないようにしましょう。 約一ヶ月ほど経過すれば見事に活着します。 その頃にビニールタイをハサミで切って取り去れば流木に活着したアヌビアス・ナナが出来上がります。 うまく流木に活着しない場合は、流木の良し悪しで活着しないというよりは、環境または、アヌビアス・ナナの状態によって活着しないと思われます。 アヌビアス・ナナは通常は大磯砂利に植えこんでおくと、根に砂利がくっついてくるほど活着しやすい水草です。水質や環境のチェックをすると共に、もう一度しっかりと流木にビニタイや木綿糸などで根本部分をとめてみましょう。

それでも難しい場合には、流木と同じ色か釣り糸などの透明な不溶性の糸で、目立たない様に巻つけてしまうという方法もあります。 アヌビアスの仲間だけのレイアウトも面白いでしょう。 前景にアヌビアス・ナナ、中後景にはアヌビアス・バルテリーなどの大型種を植え、後景にはグラキリスなど葉の形の違う種類を植えるといいでしょう。また班入りの水草も使うと、彩りにもアクセントがつきます。 ほとんどトリミングがいらない、レイアウトを維持するのにとても楽な水草水槽ですが、成長が遅いので、密生させるには時間がかかります。できれば初期からたくさんの水草を入手して、出来るだけ多く植え込みましょう。 また、アヌビアス・ナナは雨季と乾季の激しい水位の変化にも適応している水草なので、アクアテラリウムにも利用する事ができます。横に這う根茎は年輪を重ねた盆栽の古木の様な趣になります。 ミクロソリウムやウィローモス、砂利と合わせて和風のレイアウトも良いでしょう。

活着方法

まず、活着させるものを用意してください。

流木や岩に活着させるのが一般的です。手頃は大きさの方が活着作業がし易く、レイアウトにも大きな影響を与えないので便利です。 ナナはミクロソリウムなどのシダ系の植物と異なり、ソイルに埋め込んでも育成が可能です。 ただ、初心者の場合は自由に配置を換えることが出来、取り出せるよう、小さな石や流木などに活着させておく方法がおすすめです。 アヌビアスナナは前述した通り、成長が遅い分、苔の被害に合いやすいです。 そのため、コケ対策のために木酢液などを塗ることがあるのですが、ソイルに埋めていたり、水槽に固定された流木に活着させていると取り出すことができないため、その作業が行いにくくなります。 また、アヌビアスナナを増やすために株分けを行う際にも、水槽の外に取り出せないと作業が行いにくく、増やすのも一苦労です。また気分によって配置場所を変えられるるのもメリットの一つです。 釣り糸のような糸や、ビニタイを用意してください。 水草の活着には木綿糸(モスコットン)という1ヶ月程度で水に溶けてなくなる紐も使われるのですが、アヌビアスナナは成長が遅いため1ヶ月程度では完全に岩や流木に活着しません。活着前に糸がはずれるのを避けるためにも、木綿糸は使用せず、糸やビニールタイを使用してください。 実際に作業をしてみればわかるのですが、ビニタイのほうが楽に固定することができます。 釣り糸は葉が邪魔になり、不器用な人との相性が良くありません。筆者はとても不器用なので、ビニールタイを愛用しています。 固定する際、きつく締め付けると茎に傷ができてしまいますので注意してください。 次に、ポットから取り出します。ポットの下の方を強く押すと比較的出しやすいです。 ナナの葉をもって無理矢理引っ張ると葉がちぎれたり、傷がついてしまいますので、持つなら茎の部分をもってゆっくりと引き抜いてください。 ポットの中には「ロックウール」というポットで水草を育成するための綿のようなものが入っています。 これは水槽内に入れると腐って水が汚れる原因になりますので必ず、取り外します。 まずはおおまかに外していけば問題ありません。 根っこが深く絡んでいると思いますが、次の工程で根を切り落としますので、外すときに根がちぎれても問題ありません。 根を切り取った後にロックウールを綺麗に外しますので、ここではロックウールをおおまかに外して、根が見える状態になればOKです。 根の付け根が見える程度にロックウールが外せたら、次はハサミでアヌビアス・ナナの根を短く切り落とします。 アヌビアス・ナナに最初から生えている根はそのまま残していても流木や岩に活着しません。 新しく生えてくる根が岩、流木に活着をしますのでここでは短く切り落としてください。 その後、残っている細かいロックウールを、手やピンセットを使って綺麗に取り除いてください。 ロックウールの残骸を取り除くためにバケツに張った水でじゃぶじゃぶ洗っておきます。 アヌビアスナナは農薬を使用していることが多い水草です。 基本的には「無農薬」のものを購入していただきたいのですが、農薬の付着が不明な場合は水槽に入れる前に農薬の除去を行います。

農薬除去として有名な商品に「水草その前に」というものがあります。 これは水草に付着する害虫の卵や残留農薬を除去する商品です。バケツの水に適量水草その前にを入れ、その水に水草を数分つけてください。その後綺麗に水道水で水草を洗い流します。 「水草その前に」を溶かした水は強アルカリ性の水です。それに対し、水草水槽で最適な水質は弱酸性となりますので、ここでアルカリ分をしっかり落としてください。 ただし、水草その前にを使用したからといって100%すべての農薬を除去できるわけではありませんのでご注意ください。 活着させる際の注意点 アヌビアス・ナナは育成する方向というものがありますので、石に活着させるときには、その方向に活着するスペースを設けてやると、育った時に外の石に活着するなどの問題が起こりません。 アヌビアス・ナナは日影でも育ちますし、どこでも育成可能といえる水草です。 ただ、アヌビアスナナの育成方向は意識して配置してください。 アヌビアスナナは育成方向が決まっており、その方向に向かって成長していきます。上に向かって、手前に向かってなど、統一感を出したほうが、後々綺麗なレイアウトになります。

増やし方

アヌビアス・ナナの増やし方は、根茎の株分けが主な方法です。 アヌビアス・ナナの株分けは、葉が5枚程付いた茎をカッターや鋏で切り分けるだけで、特に問題はありません。葉、茎、根の3セットがある状態で、メインの茎をハサミやカッターなどで切り分けてください。 葉を全部切り落としたとしても、新しく小さな葉が出てきて成長するほど丈夫な水草です。 茎を切り分ければ、新芽を発芽させて子株を作ります。 ただ、アヌビアス・ナナは根茎を横に伸ばしながら殖える水草ですが、葉のついた根茎を3~4cm切り取っても、小さな葉をたくさんつけるだけで葉は大きくなりにくいです。 子株を大きくする方法が良いでしょう。 ただ、成長が遅いためアヌビアスナナを増やす場合はそれなりに時間が必要です。 そのため、アヌビアス・ナナをメインとしたレイアウト水槽や、多くのアヌビアス・ナナが必要となるようなレイアウトの場合は、最初からある程度の数を揃えないと水景を完成させるまでに相当数の時間がかかり、その前に苔の対策に追われてしまうことになるので注意してください。

トリミング方法

アヌビアスナナは成長スピードが遅い水草ですので、ウィローモスやロタラのようにトリミングに追われることはあまりありません。 レイアウトに合わせて不要な葉を切り取るか、コケの生えた葉を切り取る、他の葉の影になって光がほとんど届かない葉は枯れていきますので、それもトリミングしてしまっていいかと思います。 トリミングの際には、葉の根元部分を切り落としてください。その際、茎に傷をつけないように注意してください。また、大きめの葉を切り取っていくことで、新しく生えてくる小さい葉を蜜に茂らせることも可能です。

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